考察

覇権国なき国際秩序を想定し、2035年の日本の針路を提言|2035年の国際情勢シナリオと日本の針路

36362026年10月15日

考察

資料基準 2026年10月15日 11:08 · 更新 2026年10月15日 11:08 · 第1版

影響

小

中長期の政策・企業向け提言

見落としやすい点

FTA深化の試算対象は日本、韓国、台湾、インド、ASEAN、オーストラリア、ニュージーランドで、ベースラインは追加ショックを与えない基準均衡としている。

三菱総合研究所は、の「覇権国なき国際秩序」を想定したシナリオと、日本の政策・企業経営上の方策を提言した。試算では、日本の実質GDP水準への影響はデリスキングのみでベースライン比、インド太平洋の主要国・地域でのFTA深化を組み合わせるとプラスとなる。政府には市場統合・供給継続・能力共創を一体で進めること、企業にはサプライチェーンの可視化や事業・品目ポートフォリオの見直しを求めている。

注意
GDPへの影響はGTAPモデルによる試算であり、三菱総合研究所の売上・利益見通しを示すものではない。

開示(1件)

1.【提言】2035年の国際情勢シナリオと日本の針路

その他2026年10月15日 11:00開示本文を読む →

  • 信頼を実行に転換し「連携の結節点」へ:株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長執行役員:籔田健二、以下 MRI)は、2035年を視野に国際秩序の構造変化を整理し、3つの国際情勢シナリオと貿易分断の経済影響を分析しました。
  • その結果を踏まえ、2035年の「覇権国なき国際秩序」の世界において日本が目指すべき姿とその実現に向けた政策・企業経営上の具体的な方策を提言します。
  • 1. 背景:MRI は、2035年に向けて、いずれの大国も単独では国際秩序全体を支えきれず、多様な主体が地域・分野ごとに秩序の維持と形成を分担する「覇権国なき国際秩序」へ移行する可能性があるとみています。
  • (1)国際秩序を揺るがす5つの潮流:「覇権国なき国際秩序」への移行を促すのが、①リベラル国際主義の揺らぎ、②AI 覇権競争の激化、③資源・エネルギーの自律性追求、④安全保障環境の不安定化、⑤経済的威圧の常態化、という5つの潮流です(図表1)。
  • (2)3つのシナリオに備える:2035年の具体的な世界像を左右する分岐点は2つあります。
  • 1つめは米中対立が一定のルールの下で抑制されるか否か、2つめは対立が先鋭化した場合に米中が第三国をそれぞれの陣営に束ねられるか否かです。
  • 具体的には、戦略分野の自律性と相互依存が併存する「デリスキング」、米中二陣営への分断が進む「デカップリング」、複数の勢力圏へ再編される「多極・ブロック化」です(図表2)。
  • 3つのシナリオは段階的に進む一本道として捉えるものではなく、状況は非連続的に変わり得るため、複線的な備えが必要です。
  • (3)「守りのデリスキング」と「攻めの経済連携」を両立:国際貿易や通商政策の変更が各国・地域の経済に及ぼす影響を GTAP モデルで試算したところ、対象や地理的範囲が広がるほど、貿易分断による経済損失が大きくなることが示されました。
  • 一方、戦略分野でデリスキングを進めつつ、それ以外の分野では経済連携を深めることで、負の影響を緩和できる可能性があります。
  • 日本の実質 GDP 水準への影響は、デリスキングのみではベースライン比▲0.32%ですが、本分析で設定したインド太平洋の主要国・地域における FTA 深化(+0.36%)を組み合わせると+0.04%となりました(図表3)。
  • また、経済連携の便益は、日本よりも ASEAN、インドなどの相手国・地域に対して、より大きく及ぶとの試算結果が得られています。
  • (4)日本は信頼を実行に転換し「連携の結節点」へ:日本が目指すべきは、これまで国際社会で培ってきた信頼を具体的な実行力へと転換し、多様な国・地域の連携を支える存在となることです。
  • しかし、信頼はそれだけで日本の力になるわけではなく、今後は相手国から寄せられる期待に応え、供給の継続や協力の履行を具体的な行動として示していく必要があります。
  • そのための具体的な方策として、MRI は政府による「三位一体の経済戦略」と、企業によるサプライチェーン・ポートフォリオ運営を提言します。
  • 図表4 信頼を実行に転換し「連携の結節点」へ:政府には、FOIP(自由で開かれたインド太平洋)を基盤に、平時の市場統合、有事の供給継続、パートナー国との能力共創を一体で進め、企業の市場・調達・供給継続の選択肢を広げることが求められます。
  • 企業には、経済安全保障を経営課題として位置づけ、サプライチェーンの可視化・診断、リスク調整後の収益性に基づく経営判断、事業・品目ポートフォリオの見直しを継続的に回すことが必要です。
  • 分断が拡大することを前提にするのではなく、自由で開かれた経済秩序の維持、能力共創、危機時の供給継続を通じて、信頼を実行へ転換していくことが、日本の自律性と不可欠性を同時に高める道筋です。

開示本文をもとに AI が作成した記事です。数字は開示本文と決算データから入れています。数字に押すと出どころが出ます。

出典

  1. 【提言】2035年の国際情勢シナリオと日本の針路2026-10-15