資料基準 2026年10月26日 15:25· 更新 15:25· 第1版
影響
小実証段階で収益寄与は不確定
見落としやすい点
実証相手は社名非開示の化学メーカーA社です。
半導体の基幹材料に関する開発テーマで、レゾナックと化学メーカーA社のデータを秘匿したまま結合し、流動性の物性予測誤差をレゾナックのデータのみの場合と比べ減らしたとしています。本開示は実証結果と今後の実運用ルール整備、対象テーマの拡大方針を示しており、ZenmuTechの収益への寄与は、実運用や他テーマへの適用が進むかが焦点です。
- 本業
- QueryAhead®の機能拡張とサプライヤー向け環境の提供に至った一方、実際の製品開発現場への適用は今後の課題とされています。
- 注意
- 開発過程では計算に以上かかる場合や実行中断があったとされる一方、現在は問題が起きにくくなったとの発言です。
開示(2件)
1.レゾナック、ZenmuTechとの共創により秘密計算を活用したMI基盤を構築 ~機密データを開示せずに企業間での材料開発データ活用を可能に~
その他2026年10月26日 15:00開示本文を読む →
- レゾナック、ZenmuTech との共創により秘密計算を活用した MI 基盤を構築:株式会社レゾナック・ホールディングス(社長:髙橋秀仁、以下「レゾナック」)は、株式会社 ZenmuTech(社長:阿部泰久、以下「ZenmuTech」)が開発する、秘密計算*1ライブラリ「QueryAhead®」を採用し、機密データを開示せずに企業間で材料開発データを活用できる MI(マテリアルズ・インフォマティクス)*2基盤を構築しました。
- さらに、レゾナックのサプライヤーである化学メーカーA 社(社名非開示)の協力のもと、本基盤を用いた実証を実施し、各社が保有する機密性の高い材料開発データを開示することなく解析に活用できることを確認しました。
- 実際の材料開発テーマでは、互いの機密データを開示せずにレゾナックと化学メーカーA 社のデータを活用し、単独のデータを用いた場合と比べ、物性の予測誤差を約78%減少させました。
- 2. これまでの経緯(ZenmuTech との連携):秘密計算を材料開発に適用するには、一般的な解析ソフトウェアをそのまま利用できないため、必要な解析手法を秘密計算環境上に実装する必要があります。
- レゾナックの計算情報科学研究センターは2023年から ZenmuTech と連携し、同社が提供する秘密計算ライブラリ「QueryAhead®」を活用して、材料開発に必要な解析手法の設計と実装を主導してきました。
- 4. 今回の取り組み:今回、当社レゾナックの計算情報科学研究センターと ZenmuTech が構築した基盤を用い、化学メーカーA 社の協力のもとで共同実証を行いました。
- 半導体の基幹材料に関する開発テーマで、化学メーカーA 社が保有する材料の物性に関するデータと、レゾナックが保有する配合条件および評価結果を、双方とも開示しないまま基盤上で結合し、解析しました。
- その結果、単独では十分な精度が得られなかった予測が、両社のデータを持ち寄ることで成立しました。
- 秘密計算環境上で行った主成分分析と線形回帰は、通常の環境で行った解析結果を再現しています。
- 両社のデータを結合した予測モデルでは、流動性に関する物性の予測誤差が、レゾナックのデータのみの場合に比べて約78%減少しました。
- 得られた回帰係数は、化学メーカーA 社の研究者からも、材料に関する既存の知見と整合すると評価されています。
- さらに、構築した予測モデルを用いて未評価サンプルの物性値を予測し、評価実験の前に性能を見積もれることを確認しました。
- 7. 今後:今後は実運用に向けて、計算結果の開示範囲や開示先など、企業間でデータを持ち寄る際に必要となる運用ルールを、システムと契約の両面から整備してまいります。
- あわせて、今回の実証テーマ以外へも対象を広げ、活用事例を積み上げてまいります。
- レゾナックは、秘密計算を活用した企業間のデータ連携を通じて、材料開発の高度化とイノベーション創出に取り組みます。
2.特別対談_テクノロジーで機密を守り、データで共創する レゾナック×秘密計算が拓く材料開発の新たなフロンティア
その他2026年10月26日 15:00開示本文を読む →
- レゾナック×秘密計算が拓く材料開発の新たなフロンティア:レゾナックは2023年から、ZenmuTechが開発する秘密計算ライブラリ QueryAhead®を採用し、材料開発データを開示することなく分析・活用できる MI 基盤の構築に取り組んできました。
- 実際の材料開発テーマでは、サプライヤーを含む企業間でデータを秘匿したまま組み合わせ、物性予測の精度向上を実証。
- さらに、現場からの知見やフィードバックを重ねることで、QueryAhead®そのものの機能進化にもつながっています。
- 4. QueryAhead®で解決したかった課題:清水: 当社は「混ぜる化学」と言っているように、サプライヤーさんから様々な材料を調達し、混練するわけですが、一方でそうした材料の素姓、すなわち分子構造や粘度、物性値といったところはわりと把握していないところもあり、それらもきちんと把握した上で、新たな材料系の物性予測などを進めたいと考えています。そのモチベーションとしては、今後は半導体材料分野にもより注力していくところであったり、当社としては JOINT3(※4)などコンソーシアムを組みながら、より優れた製品を作っていこうとする駆動力がありましたので、それを加速するためにも効率的で柔軟な情報共有でお客様や取引先を知ることも大事だと思っています。そこに QueryAhead®が活用できるのではないかと期待したのです。
- 清水: NDA を結んだ時点での約束事というところと、さらにクイックに開発を進めたい開発現場のスピード感とを合わせようとするとどうしてもミスマッチが生じます。そこはテクノロジーを活用して解決できないかと考えており、NDA とともに技術でデータを保護することができるのであれば、それは積極的に取り入れていきたいと考えていました。
- 5. レゾナックが体現する「共創」:酒井: 最も苦労したのは、秘密計算による線形回帰が計算の過程においてオーバーフローが発生し、原因もすぐに特定できなかったことです。これは出力結果がそもそも信用できないということでもあったので、非常に厄介な問題でした。また、秘密計算技術の特性上、計算時間が長期化するため、平文で計算すると一瞬で回答が得られるものが、秘密計算技術の場合は1日以上かかる場合もあり、レスポンスまでの時間の長さには苦労しました。さらに分散サーバ間の通信の不具合や計算処理上の原因不明な不具合によりスクリプトの実行が中断することが多く、結果を得るところまで完走できるか運次第なところも拍車をかけていました。再現性があればいいのですが、そうではないエラーも多数発生しておりましたので、コードを実行して結果を得る行為のすべてが困難なことでした。
- 石田氏(以下敬称略): 本当にご苦労をおかけしました。当初 QueryAhead®では行列すら扱うことができず、テーブルデータしか扱えませんでした。それを酒井様からの要望にお応えする形で、行列演算が可能なライブラリ QueryAhead Array などを開発し、一つ一つ対応していきました。大変ご苦労をおかけしましたが、QueryAhead®の進化には酒井様からのフィードバックが不可欠でした。
- 酒井: 複合領域という観点で、MI は同じ部署の中でも多くの人が手掛けており、そこを追従しても競合するため、他の研究者がやっていないところをやるしかないなという思いでした。実際には大変でしたが、現在はできることが増え、問題は起きにくくなっています。
- 6. QueryAhead®導入による成果:酒井: QueryAhead®導入の成果は、従来は予測できなかったことが予測できるようになり、精度改善につながったほか、データがないとモデルが作れなかったことが解決できるようになった、その方向性を示すことができるようになったことです。これらの成果を実際の製品開発の現場に落とし込んでいくことが、今後のチャレンジだと考えています。
- 清水: 私は、サプライヤーさん向けに JupyterHub に秘密計算プラットフォームを乗せて、提供できるようになったというのが本当に大きな成果への第一歩だったと考えています。NDA がありながらもですが、多数の企業がある中で、データ共有を行えるスペースを構築することが今後の化学業界の駆動力になっていくと思いますが、お互いに機密情報を守りながら相手の企業に技術を提供しようということは容易ではありません。しかし今回、両社の共創により、これが化学×秘密計算の一つの成果として結実したのではないかと考えています。
- 平岡: 成果の中で当社が注目しているのは、御社のデータのみで物性を予測した場合の予測誤差を示す平均二乗誤差(※5)がサプライヤーさんのデータも秘密計算技術を活用して結合すると80%近くまで誤差が削減されたことです。これはどれほどのインパクトがあるものなのでしょうか。
開示本文をもとに AI が作成した記事です。数字は開示本文と決算データから入れています。数字に押すと出どころが出ます。